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全歯抜歯という選択肢

上の写真のネコちゃんは元野良猫で保護されて7歳以上(年齢不詳)のネコちゃんです。ワクチン接種でご来院されましたが、その時の身体検査で歯肉炎が確認され、歯科処置に同意されました。

 

左下あごの2本の臼歯を除き全ての歯が歯周ポケットが深く、キレイに歯科処置してもすぐに歯肉炎の再発が予想されます。

飼い主様と話しで2本の歯を含む全ての歯を抜歯する計画となりました。

 

多くの歯を抜くのも、健康な歯まで抜いてしまう事も可哀そうですね。しかし、このネコちゃんのことを将来に渡って真剣に考えれば、全歯抜歯は選択肢の一つです。

 

というのも、写真のようにひどい歯肉炎を起こしている子が、歯科処置のあとも良好な口腔ケアを続けることは非常に困難だからです。また数年後に歯肉炎で痛い思いをしながら暮らす、もしくはまた歯科処置を受けるよりも、全歯抜歯して歯肉炎から解放されるほうが幸せという考えです。

 

ゴハンが食べられなくなる・・・と心配される方もいらっしゃいますが、歯が1本もなくても歯茎でカリカリのゴハンを食べれます。実際、人間の高齢の方でも、入れ歯の間にゴハンカスが入って痛いから、食事の際には入れ歯を外す方もいらっしゃいます。

 

全歯抜歯が最良の治療のわけではありませんが、選択肢の一つと考えても良いかも知れません。