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肝臓の検査

肝生検1

この子は、避妊手術を受けるために手術前の血液検査を行い、肝臓の数値の異常を認めた子です。

 

避妊手術は延期して、肝臓の治療を行いましたが余り効果がなく、精密検査で肝機能の低下、持続的な肝障害、先天性の肝臓血管異常(門脈体循環シャント)が疑われました。

 

大学病院で門脈シャントが確認されましたが、細い血管なので、手術の必要性は低いとの結果でした。しかし、持続的な肝障害に対して肝生検(肝臓の組織を外科的に切り出し、検査すること)が奨められ、当院での避妊手術および肝生検の手術となりました。

 

写真は避妊手術が終わって、肝生検に移行するところです。肝臓の下の大きな脂肪をとって、肝臓を見やすくする処置をしています。お腹の中の茶色い臓器は脾臓です。

肝生検2
肝生検3

手前の赤茶色の臓器は脾臓で、今回の目標である肝臓はその上、ピンセットで示している綺麗な赤色のちっちゃい臓器です。

本来はこんなに小さくありません。手術前検査で明らかになりましたが、長年、肝障害が続いた結果、肝臓が縮んでしまったのです。

肝生検4
肝生検5

肝臓の一部を特殊な機械で切り取り、あっという間に肝生検は終了です。

検査結果は特発性(原因不明)銅蓄積性肝炎でした。これ以上、肝臓が悪くならないように特別な御飯を食べて、薬を飲んで治療していきます。

 

今回の子はシニアになってから院長の話を聞いて避妊手術を決意し、術前検査で肝臓の異常に気が付けました。もし、健康診断も術前検査も受けずに、このまま進んでいたら、どうなっていたでしょうか?そして、もっと早く気づけていたら、肝臓はもっと良い状態だったかも知れません。この子はすごく可愛らしいポメラニアンで元気で食欲もあり、まさかこんな肝臓になっているとは全く思えませんでした。改めて血液検査や健康診断の大切さを感じました。