
今日の手術は「ウサギの膿瘍」の切除です。膿瘍とは膿の詰まった袋のことで、他の動物では膿はドロドロしていますが、液状で表面を切開して押し出せば、膿は全て排出できます。
しかしウサギの膿は固形状で簡単な処置ですべて排出する事はできません。また固形なので抗生物質も中に浸透しづらく、基本的に手術が必要です。
手術の前に血液検査とレントゲンを実施して麻酔の安全性を確認します。




ウサギさんは素早く動くために骨を軽量化して(スカスカにして)周りの筋肉が強く収縮しますので、抑えるのが強すぎたり弱すぎたりすると、すぐに骨折してしまいます。手術前の検査といえど気が抜けません。
検査から様々な問題がみつかりましたが、特に貧血が問題点でした。しかし、この貧血は膿瘍からの慢性的な出血のせいと考えられ、これからも悪くなることはあっても良くなることは無いと思われます。出血を最小限にするように努めて手術を開始しました。




ウサギさんの手術は麻酔の管理が他の動物よりも注意を払わなければならず、また術後の管理も大変気を使います。
またウサギの膿瘍はガンとも言われ、再発もあり得るので良く注意しなければなりません。

術後のウサギさん、早くもゴハンを食べ始めました。
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