皮膚病には大きく3つの原因があります。
具体的には
①感染(細菌・カビ・ノミ・ダニ)
細菌はワンちゃんの中で最も多い原因です。ワンちゃんの皮膚はヒトと比べて弱いのですぐに細菌(ばい菌)が感染してしまいます。
またカビも人にうつるものがあり、大変重要です。
ノミ・ダニも非常に重要です。「ノミ・ダニがついたら駆除すれば良い」とおっしゃられる方がいらっしゃいますが、ノミはついたら単に痒いというだけでなく、ノミアレルギー性皮膚炎→アトピー性皮膚炎に発展する可能性があります。
またノミもダニも病気を運んでくるので、予防は非常に大切です。
②体質(アトピー・脂漏症・乾燥肌)
本人の体質が大きな原因になっている場合です。自分の免疫細胞が過剰に反応して皮膚炎を起こすアトピー性皮膚炎、食物アレルギー。
皮膚が過剰に脂を分泌し、それを食べるばい菌が増えることで皮膚炎を起こす場合。この場合には特有の臭いや撫でた後で手がベタベタする、テカテカ光っているなどで分かります。
乾燥肌は逆に脂が足りない状態です。痒がっているが皮膚には赤くなっている場所があまりありません。これはアトピーの初期にも似ています。
また高齢になってくるとホルモンの異常による皮膚の変化が起きることもあります。
③環境(温度・湿気)
特にワンちゃんですが、4月ごろから9月ごろまで皮膚病になる子が圧倒的に多くなります。日本はこの時期、気温が上がり、湿度が上昇しやすいので、ばい菌が増えやすくなります。冬は何ともなくても春から秋にかけて皮膚病が出やすいのは、その為です。
ワンちゃんの皮膚病にはこれら3つの要素が複雑に関係します。年に1回くらい痒くなる程度なら対症療法でも構いませんが、しょっちゅう皮膚病になる子はこれらの原因を考慮して治療を複合的に行う必要があります。
具体的には
場所が限られている場合には
外用薬(軟膏・クリーム・スプレー)
体のあちこちに皮膚病がある、または一か所が大きい場合
内服薬(痒み止め・抗生剤)
皮膚をキレイにしたり、余分な脂を落とすシャンプー
アトピー体質を改善する注射
食事療法
などがあります。